△▼△5月は「粟田学区のまちづくり」をピックアップ△▼△ゲスト:一級建築士事務所 レオナルド建築設計事務所
和田 嘉久さん
昨年、京都市空き家条例検討委員会の公募委員に選ばれ、東山区長や学識経験者、不動産コンサルタントの方々と意見交換をしてきました。空き家問題は一軒ごとにそれぞれ異なった事情を持っておりとても複雑です。空き家を京町家として残そうとよく言われますが、私は改修も建て替えもできず今の生活スタイルに合わない空き家ならば、地域の安全安心のために取り壊しもやむなしと考えます。「地域の資産」としての位置づけを明確にすることで、新たな活用方法がないのか。例えば、地域密着型サービス施設等の共有空間として使うシステムの構築や、京都にはまだまだ少ない公園や緑地帯などへの転用も大いに視野にいれるべきです。
私は土地探しからの立案、それを設計に結びつけるという手法で、大規模な複合商業施設やスポーツセンターの計画に携わってきました。そのため商空間についてはいろいろとこだわりや考えを持っています。昔から粟田学区にある古川町商店街が好きで、今もずっと気になっています。商店主の高齢化とともに空き店舗が増えてきていますが、奥には住んでいらっしゃる。商店街の空洞化は町の空き家問題とはまた違った事情です。以前は錦市場と変わらぬ活気ある街路であったのに、いつのまにかこんなにも差がついてしまったことが無念でなりません。
古川商店街を南に抜けたところの、東大路から岡崎の美術館へと抜ける白川界隈の風情がとても好きです。琵琶湖から送られてきた小麦を白川の流れを利用して粉に挽いていたという歴史を踏まえ、「食」の文化にスポットをあてて粟田学区の白川を美しく整備しようと計画中です。
古川町商店街と白川を中心に、「五感」で楽しめる共有空間としてのしかけをつくり粟田学区を元気にして行く、これが私の当面の目標といえるでしょう。
★☆★ 教えてスペシャリストさん ★☆★
「断熱の役割について」
有限会社 巧人舎 代表取締役 大田 勝さん
なぜ私どもが断熱に力を入れているかと言えば、住宅であれば断熱工事によって住むための基本性能が向上するからです。つまり、過ごしやすく建物の寿命を長くすることで、個々の建物の資産価値を高めることになる。加えてそこに住み続けることで冷暖房費を削減できますから、余剰資産も形成できます。
また、環境への配慮という観点で、私どもの工事では吹付けウレタンの現場発泡にフロンを全く使用していない材料を使いますが、多くの工事では未だにフロン含有の材料を使っているのが現状です。フロンガスはオゾン層を破壊する地球温暖化の一因です。
国が示す高い性能基準は将来のスタンダードになりますので、断熱工事が建設工事全体に占めるウェイトは大きくなってくると思います。ただし、建物の寿命が長くなれば、ライフサイクルコスト全体の断熱工事にかかる費用はすごく小さなものになります。自然エネルギーなどの利用も必要ですが、今使っているエネルギーを減らすためにどうするかをまずは考えないといけません。
京都でも他の地域でもその地域の気候や暮らし方に見合った最適な建物があると思います。それをみんなで考えて良い方向に進めばいいですね。
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こちら ☆本日の担当:松田容子
posted by 京都府建築士会 at 16:54|
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建築・まちづくり
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